売掛債権保証会社とは?ファクタリング会社との違いも解説!


売掛債権保証会社とファクタリング会社とは、いずれも取引先の倒産等で売掛金の回収が困難になったときのリスクを保証するサービスを提供している会社です。

商品やサービスを提供したにもかかわらず、売掛金が入金されないと、自社の資金繰りに大きなダメージを与えるかもしれません。

しかし売掛債権保証会社やファクタリング会社の保証があれば、売掛金が未回収になったときのリスクを軽減できます。

また、これらの会社は、取引先に対して与信審査を行います。自社で与信管理を使用とすると、専門的なスキルを持つ人材を確保したり、専用の部署を設けたりする必要があり、金銭的コスト・人的コスト・時間的コストがかかってしまうでしょう。

売掛債権保証会社やファクタリング会社の与信審査を活用することで、未回収リスクに対する保証を確保しつつ、取引先の信用度をチェックすることもできます。

この記事では、売掛債権保証会社とファクタリング会社の違いについて解説しています。

売掛債権保証会社は売掛債権の回収を保証してくれる

売掛債権保証会社とは、売掛金や受取手形といった売掛債権の回収を保証するサービスを提供している会社のことです。

取引先の信用力に応じて、保証限度額や保証率を設定し、利用者と売掛債権保証会社で保証契約を締結。仮に取引先が倒産等で支払不能になったときは、保証会社が保証限度額を上限に利用者に貸し倒れとなった金額を支払う仕組みです。

ファクタリング会社とは?

ファクタリング会社とは、「買取型ファクタリング」あるいは「保証型ファクタリング」を提供している会社のことです。

買取型ファクタリングとは、取引先の売掛債権を売却して、支払期日よりも前に資金化するタイプのファクタリングです。一方、保証型ファクタリングとは、取引先の倒産等で売掛金が回収できなかったとき、ファクタリング会社が保証するサービスです。

売掛債権保証と保証型ファクタリング

売掛債権保証会社とファクタリング会社の違いを理解すると、売掛債権保証と保証型ファクタリングは何が違うのかという疑問を持つ人もいるでしょう。

以下、売掛債権保証と保証型ファクタリングの違いについて紹介します

保証の範囲

売掛債権保証は、取引先ごとに保証枠を設定します。例えば毎月100万円の取引がある取引先A社の財務状況が振るわず、売掛金が未回収になる恐れがある場合、A社に100万円の保証枠を設定するという契約をします。

なお、複数の取引先の売掛債権を包括的に保証する会社もあるため、契約する際は事前に、各売掛債権保証会社の保証内容を確認してください。

一方、保証型ファクタリングは、売掛債権ごとに契約をする仕組みです。A社の4月分の売掛債権、5月分の売掛債権がある場合、それぞれファクタリング契約を締結して、保証を受けます。ただし複数の売掛債権を、まとめて買い取ってもらうことは可能です。

運営会社

ファクタリングは主にファクタリング会社が取り扱っています。ただし一般的なファクタリング会社は買取型しか扱っておらず、保証型を扱っているのは大手金融機関傘下のファクタリング会社が多い傾向があります。

一方、売掛債権保証を取り扱っているのは、主に決済代行会社です。

企業間の決済代行を決済代行会社が行う中で、仮に売掛金が未回収となった場合、決済代行会社が保証するという仕組みとなっています。

売掛債権保証がおすすめのケース

保証型ファクタリングと売掛債権保証は、どのように使い分ければ良いのでしょうか。ここでは売掛債権保証がおすすめのケースについて紹介します。

支払いが不安な取引先と継続的な取引している

経営状態が不安という噂を聞いているものの、「長い付き合いがある」「取引額が大きく代替先が見つからない」といった理由で、取引を継続している取引先もあるかもしれません。

継続的に取引があるのに、保証型ファクタリングで売掛債権ごとにファクタリング契約を締結するのは、忙しい事業主にとって効率的なことではないでしょう。

継続的な取引がある取引先の売掛債権を保証してもらう場合は、売掛債権保証を利用したほうが合理的です。

開業間もない企業との取引をしている

開業後1~3年は、収益が安定しないため倒産リスクが高い時期です。

将来性を期待して開業間もない企業と取引をしたものの、長期的に事業がうまくいくかどうかはわかりません。

開業間もない企業と継続的なお付き合いはしたいけれど、事業が軌道にのるか不安な取引先と取引をするときは売掛債権保証が向いています。

早期に資金が必要なときは買取型ファクタリングも検討する

買取型ファクタリングは、売掛金の支払い期日よりも前に買取代金の受け取りが可能です。早期に資金が必要なときは、買取型ファクタリングも検討してみましょう。

買取型ファクタリングは、取引先の倒産等による未回収リスクをファクタリング業者が負う償還請求権なし(ノンリコース)が基本です。つまり買取型ファクタリングも、売掛債権保証の効果があることになります。

また買取型ファクタリングは、二社間ファクタリングと三社間ファクタリングの2種類があり、二社間ファクタリングなら、基本的に利用しても取引先に知られることはありません。これは二社間ファクタリングが取引先を介さず、利用者とファクタリング会社の2社で締結する契約だからです。

ただし二社間ファクタリングは、利用者が売掛金を返済してくれないリスクや、架空の売掛債権を売却する可能性があるなど、ファクタリング会社にとってリスクの高い取引です。そのため二社間ファクタリングは手数料がおおよそ8~18%と高めに設定されています。

三社間ファクタリングは、契約に取引先が加わり、ファクタリング会社と取引先が直接やり取りをして売掛金を回収する契約です。取引先もかかわることから、利用者が不正をしにくく、ファクタリング会社にとってはリスクが低い契約と言えます。そのため手数料がおおよそ2~9%と、二社間ファクタリングに比べて低めに設定されるのが一般的です。ただし取引先に、ファクタリングの利用を秘密にしておくことができません。

取引信用保険と売掛債権保証の違いは?

取引信用保険も取引先の倒産で、売掛金が回収できなくなったときのリスクを保証する保険です。

取引信用保険も売掛債権保証のどちらも、売掛債権の未回収リスクを回避する目的で利用する金融サービスという点では共通しています。

しかし売掛債権は決済代行会社が主に扱っているのに対し、大手損害保険会社で取り扱っている商品です。

また取引信用保険は、保証対象となる取引先を「全取引先」あるいは「売上高上位10社」のように選択する必要があり、個別に選択ができません。一方、売掛債権保証では個別の取引先を指定して保証対象にすることが可能です。

さらに取引信用保険は損失額を100%保証するわけではなく、「損失額の95%」など縮小されて支払われます。これは取引信用保険が、回収不能となった売掛債権の原価部分をカバーすることを目的とした保険だからです。

まとめ

売掛債権保証会社とファクタリング会社は、どちらも売掛債権の未回収リスクを保証するサービスを提供する会社です。

ファクタリングのうち、保証型ファクタリングと売掛債権保証は機能が似ていますが、保証の範囲や運営会社に違いがあります。 また大手損害保険会社では、取引信用保険という同等のサービスを提供しています。各商品の違いを理解して、自社に合ったサービスを選びましょう。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー:金子 賢司
1975年4月5日生まれ
1998年立教大学法学部法学科卒業
株式会社菱食(現三菱食品株式会社)に勤務
生命保険会社、損害保険会社を経てファイナンシャルプランナーとして活動中。

保有資格:FPの最上級資格CFP資格保有者
(CFPライセンス番号:90260739)

所属団体:日本FP協会
WEBサイト;https://fp-kane.com/