診療報酬・介護報酬ファクタリング【後編】業者選びと活用事例を紹介

診療報酬・介護報酬ファクタリングは、資金繰り改善に大きな効果を発揮する一方で、業者選びを誤ると高額な手数料や契約トラブルに発展しかねません。

安心して利用するためには、信頼できる会社の見極め方を知り、さらに実際の活用事例を通して具体的なイメージを持つことが重要です。

本記事【後編】では、診療報酬・介護報酬ファクタリングを利用する際に押さえておきたい業者選びのポイントや、運転資金確保や事業拡大局面など、さまざまな場面での活用事例を解説します。

失敗しないファクタリング業者の選び方

診療報酬・介護報酬ファクタリングは、資金繰り改善に大きく役立つ一方で、利用する会社の選び方を誤ると不必要なコスト負担やトラブルに発展しかねません。

ここでは、信頼できる会社を見極めるための具体的なポイントを解説します。

会社の信頼性

ファクタリングは、資金調達の中でも悪徳業者が相対的に多い傾向があるため、その会社が本当に信頼できるかどうか、慎重に見極めることが大切です。

ファクタリング業者を選ぶときは、以下をチェックすると良いでしょう。

• 取扱実績:医療・介護分野でどれほどの取引経験があるか

• 利用者の声:口コミやレビューが一定数あり、極端に否定的な評判が多くないか

• 会社情報の透明性:所在地や資本金、設立年、代表者の情報が明示されているか

所在地がバーチャルオフィスであったり、会社概要が簡素すぎたりする場合は注意が必要です。実績豊富な会社は、公式サイトで具体的な事例や、利用件数、口コミを紹介していることが多く、こうした情報の有無も判断材料になります。

手数料とサービス内容の透明性

次に重要なのは、手数料体系とサービス内容の明確さです。

• 手数料:「◯%〜」など、手数料の目安が提示されているか?

• 追加費用の有無:事務手数料や解約手数料などが明確になっているか?

• 入金スピード:即日対応か、数日かかるのかを明確にしているか

提示されている最低手数料率が適用されるとは限りませんが、どれくらいの手数料がかかるのかを提示している会社を選びましょう。

診療・介護報酬ファクタリングの手数料相場は、月率0.2%〜1.5%程度が一般的です。支払機関の信用度が高いため、一般的なファクタリングよりも低い手数料率が設定されています。

また、事務手数料などがかかる場合、公式サイトで紹介されているかも要チェックです。公式サイトで紹介していないにもかかわらず、見積りで手数料を提示してくる業者は注意したほうが良いでしょう。

さらに、急ぎで資金調達が必要なときは、入金スピードの確認も必要です。

契約条件の透明性

契約書を確認する際には、以下のような点を必ず押さえておきましょう。

• 解約金の有無:中途解約時に高額な違約金が発生しないか

• 契約内容:ノンリコース契約になっているか

• 債権譲渡通知の手続き:国保連・社保への通知は誰が行うか、費用負担はどうなるか

• 入金ルート:支払機関から直接ファクタリング会社に入金される仕組みを理解しているか

診療・介護報酬ファクタリングでは、国保連・社保に対する債権譲渡通知が必要となります。これは法的に必要な手続きであり、通常はファクタリング会社が行いますが、手続き費用の負担者を事前に確認しておきましょう。

また、診療・介護報酬ファクタリングは未回収リスクが低いですが、だからといってウィズリコース(償還請求権あり)契約であることを見落として契約してしまうと、悪徳業者から言いがかりをつけられてトラブルに発展する可能性もあるため、必ず確認してください。

サポート体制と利便性

医療・介護分野に特化したファクタリングでは、制度に関する知識が必要です。そのため、専門知識を持つ担当者がいるかどうかも重要な判断基準になります。

• 担当者の専門性:医療・介護制度に精通しているか

• 相談体制:契約前に丁寧なヒアリングやシミュレーションを行ってくれるか

• 手続きの簡便さ:オンラインで完結できるか(オンラインを希望する場合)、必要書類が明確か

サポート体制が整っていれば、初めての利用でも安心して進められます。逆に、説明を曖昧に済ませたり、契約を急がせるような対応をする会社は避けるべきです。

複数社を比較検討する

最後に、ファクタリング業者は必ず複数社を比較して検討しましょう。

手数料率や入金スピードは会社によって大きく異なります。例えば、同じ1,000万円の債権でも、ある会社なら970万円が即日入金されるのに対し、別の会社では940万円しか入らないといった差が生じます。

特に、はじめてファクタリングを利用する場合は、手数料の相場観もわからない可能性もあるので、慎重に検討してください。

見積もりを取るだけならコストはかからないため、3〜5社程度から提示を受けて比較することをおすすめします。

診療報酬・介護報酬ファクタリングの活用事例

ここからは、実際にどのような場面でファクタリングが活用できるのか、具体的な事例を紹介します。

いずれの事例も、資金の使途・タイミングを事前に決めておくと、さらに効果的です。

開業8か月目の無床クリニックの経営者

春の新規開業ラッシュを過ぎ、患者数が想定より伸び悩んだ時期。

開業からずっとサポートしてくれた看護師2名の賞与、電子カルテ保守料、採血管やディスポ手袋など消耗品の仕入れが重なり、手元資金は月末時点で300万円を切る見込みとなりました。このままでは、これらすべての費用を支払えないかもしれません。

さらに、診療報酬の入金は翌々月、つまり60日先です。ここで院長は、直近請求分のうち600万円相当を3社間ファクタリングで資金化。国保連への債権譲渡通知を行い、手数料は0.8%、即日で約595万円が入金されました。

入金後、賞与と仕入れの支払いを確実に行い、広告費は一旦抑制。翌月以降のレセプト増加に合わせて採用を再開する計画を立て直しました。

訪問介護事業所の繁忙期の事例

管理者は、国保連請求のうち800万円分をファクタリングで資金化(手数料0.5%)。審査と債権譲渡の手続きに少し時間はかかりましたが、手数料を抑えられたことで、結果的に人件費増と消耗品費の両方を賄い、サービス品質を落とすことなく繁忙期を乗り切れました。

介護報酬ファクタリングは手数料が低いとはいえ、事前にいくら不足するのかを確認し、必要以上に譲渡しなかった点も、この事例の評価すべきポイントです。

事業拡大のための資金調達の事例

介護付き有料老人ホームで、入居者の夜間の転倒事故を減らすため、見守りセンサーとナースコールの連動システムを導入し、廊下の明るさをエリアごとに調整する計画を実施。

交差点や段差のある場所はより明るくし、居室付近はやや抑えめにすることで、利用者が休みやすく、かつ安全性も高まる環境を整えました。

見積りは総額1,200万円。銀行の設備資金は内諾が出たものの、実行までに最短でも4〜6週間。施設長は、直近の介護報酬1,500万円相当のうち1,000万円を3社間ファクタリングで資金化(手数料0.6%)。

先に工事着手金を支払い、残額は融資実行後に充当することで、導入から3か月で夜間転倒が25%減少することができました。

調剤薬局の在庫最適化

その結果、花粉症シーズンに薬が不足することなく販売でき、近隣ドラッグストアに患者が流れるのを防ぐことができました。

シーズンが終わった後は余った薬を整理して仕入れを抑え、資金繰りも安定したためファクタリングの利用を停止。このように、必要な時期だけ一時的に利用する「スポット利用」も効果的であることが分かります。

失敗事例と注意点

診療報酬・介護報酬ファクタリングは有効な資金調達手段ですが、使い方を誤ると逆に資金繰りを悪化させる恐れがあります。ここでは実際に見られる失敗例を紹介し、その教訓を整理します。

常態化した利用で資金繰りが悪化したケース

ある事業所では、便利さから毎月のように全額をファクタリングで資金化していました。確かに目先の資金は確保できるものの、2か月後に本来入るはずの入金時点ではすでに資金が前倒しで使われてしまっており、常に余力のない状態が続きました。

さらに手数料が積み重なった結果、年間で数百万円単位のコストが発生してしまったのです。

この事例から分かるのは、ファクタリングを常用するのではなく、必要な時期だけスポットで利用し、利用額も必要最小限に抑える工夫が不可欠だということです。

また、あえて利用しない月を設けるなど、運用ルールを自ら設定することも資金繰りを健全に保つためには有効です。

契約内容の見落としと悪徳業者によるリスク

ファクタリングには、数か月から1年程度にわたり継続して利用する「包括契約」もあります。

契約条件を十分に確認しないまま包括契約を結んでしまい、途中解約時に高額な違約金を負担させられる内容が、契約条件にふくまれている点を見落とした事例です。

結果的により有利な条件を提示した業者に切り替えることができませんでした。

このようなトラブルは、契約前に契約書の内容をしっかり確認したら、防げたはずです。

その他、手数料や入金時期、解約条件などの重要項目もしっかり確認しておきましょう。必ず具体的な金額や条件を文書で提示させ、複数社を比較検討することが大切です。

さらに注意すべきは、ファクタリング業界には悪徳業者の存在が指摘されている点です。典型的な特徴としては、手数料が不当に高額である、契約書を交わさない、見積もりと実際の契約内容が異なる、入金が遅れるといったケースです。

契約内容の精査に加え、業者の実績や評判を事前に調べておくことが、安心してファクタリングを活用するために欠かせません。

まとめ

診療報酬・介護報酬ファクタリングは、資金繰りの不安を軽減し、現場のサービス品質を維持する有効な手段です。ただし、手数料や契約条件を十分に確認せずに利用すると、思わぬコスト増やトラブルにつながります。信頼できる業者を選び、必要な時期に必要な分だけ活用することで、経営の安定と発展につなげることができるでしょう。

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この記事を書いた人

ファイナンシャルプランナー:金子 賢司
1975年4月5日生まれ
1998年立教大学法学部法学科卒業
株式会社菱食(現三菱食品株式会社)に勤務
生命保険会社、損害保険会社を経てファイナンシャルプランナーとして活動中。

保有資格:FPの最上級資格CFP資格保有者
(CFPライセンス番号:90260739)

所属団体:日本FP協会
WEBサイト;https://fp-kane.com/